【Profile】
「TRIPORT株式会社・TRIPORT社会保険労務士法人」
経営労務にまつわるコンサルティング業務を行い、クライアントの企業情報や経営方針を基に、受給できる可能性のある各種助成金の情報提供から申請支援までをトータルサポートする『助成金コーディネート』事業や、従来の社労士との顧問契約などによって提供されていた人事・労務関連の各種サービスをオンラインで提供する『クラウド社労士コモン』事業を展開。現在8期目(2021年8月時点)で、創業時から全社員テレワークを実施しており、北海道から沖縄まで全国に社員がいる。

本社
【所在地】〒160-0022東京都新宿区新宿区7丁目26-7ピクセル新宿1F
三島サテライトオフィス
【所在地】〒411-0858静岡県三島市中央町6-2(みしま未来研究所内)

TRIPORT株式会社 代表取締役社長CEO・TRIPORT社会保険労務士法人 代表     「岡本秀興(おかもと ひでおき)さん」

2006年 中央大学経済学部卒業後、株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC)に入社。社会保険労務士のスキルを活用しつつ、システムエンジニアとして主にヒューマンリソース系の基幹業務アプリケーション開発に従事。ITをはじめ、世の中の便利なツール・サービス・仕組み等を、本当に必要としている人に“簡単・気軽”に利用してもらえる環境を構築すべく、経営・労務・ITコンサルティング事業を主として、2014年7月にTRIPORT株式会社、2018年にTRIPORT社会保険労務士法人を創業。

最近では、人事労務の専門家である「社労士」の付加価値を、まるでクラウドサービスのように気軽に利用できる、完全オンライン型「クラウド社労士コモン」をリリースし、2021年には、厚生労働省後援『第10回 日本HRチャレンジ大賞』にて奨励賞を受賞。

生まれも育ちも東京だが、現在は地方創生の一環で沖縄に短期移住中。全社員テレワーカーという“時間的・場所的”制約を極限まで排除した働き方を創業時から実施。働き方改革の分野にて、厚労省・総務省・東京都などからの表彰等多数。

 ・厚生労働大臣表彰(輝くテレワーク賞) 特別奨励賞
 ・総務大臣賞等 テレワーク先駆者百選
 ・東京都女性活躍推進大賞 優秀賞 等々

【TRIPORT株式会社 https://triport.co.jp/】

宿場町の風情が残る、風通しの良い街「三島市」

▲写真左:源兵衛川(げんべえがわ) 「水の都 三島」を代表する水辺スポット、写真右:楽寿園(らくじゅえん) 三島駅前に広がる市立公園(古くは皇室の別荘)
▲写真左:源兵衛川(げんべえがわ) 「水の都 三島」を代表する水辺スポット、写真右:楽寿園(らくじゅえん) 三島駅前に広がる市立公園(古くは皇室の別荘)

TRIPORT株式会社がサテライトオフィスを設置した三島市とはどのようなところなのか、三島市企業立地推進課 副主任の山田 基文(やまだ もとふみ)」さんにお話を伺いました。


――三島市はどのような地域か教えていただけますか。

三島市は、静岡県東部に位置し、古くは源頼朝ゆかりの三嶋大社の門前町、東海道の宿場町として栄えました。東京駅から三島駅までは新幹線で50分程のため、東京へ通勤する方も多くいらっしゃいます。

三島駅前には、ホタルの見える公園「楽寿園(らくじゅえん)」があるほか、至るところに富士山からの湧水が流れ、「水の郷百選(みずのさとひゃくせん)」にも選ばれた街で、富士・箱根・伊豆への玄関口として発展しています。


――リモートワークやテレワークに対応した施設はありますか?

三島市には、サテライトオフィスとして利用できるコワーキングスペースや、シェアオフィスなどの施設が4箇所あります(2021年7月時点)。なお、一定の条件に当てはまれば三島市から賃料の補助を3年間受けることができます。


――とても働きやすそうな街ですね。街が抱える課題などはありますか?

三島市が抱える課題は、大学や研究所があり県東部地域を代表する文教都市でありながら、多くの若者が就職により市外へ出てしまうことです。

この課題の解決策として、テレワークやサテライトオフィスなどで働けるような職種の企業に来ていただき、若い世代に「ここで働きたい」と思える街づくりを目指していきたいと思います。


【その他三島市にサテライトオフィスを開設した事例記事はコチラ】
株式会社パムローカルメディア

【三島市の紹介ページはこちら】

三島市在住の在宅ワーク社員の声がきっかけでサテライトオフィスを開設

▲全社員テレワークで働くTRIPORT株式会社
▲全社員テレワークで働くTRIPORT株式会社

続いて、三島市にサテライトオフィスを設置した、TRIPORT株式会社の代表取締役社長CEO 岡本秀興さんにお話を伺います。


――三島市にサテライトオフィス(みしま未来研究所)を設置した経緯を教えてください。

弊社は、創業時から全社員がテレワークを実施しており、北海道から沖縄まで全国に社員がいます。三島市にサテライトオフィスを設置したきっかけは、三島市で在宅ワークをしていた女性社員から「在宅ワークではオンオフを切り替えるのが難しいため、サテライトオフィスを利用したい」と相談を受けたことでした。

弊社では、普段からこのような相談があった場合、社員自身に入居を希望する施設の情報を集めてもらっています。社員の能動的な気持ちを尊重し、社員自身が「ここで働きたい」と思える場所と出会えることが働くモチベーション向上につながると考えているためです。三島市のサテライトオフィスも、社員自身に利用目的や施設のサービス内容、価格などの情報収集をしてもらい、契約を決めました。


――社員の方が場所を探したのですね!入居施設を選ぶ際の決め手は何だったのでしょうか。

地理的な通いやすさ、テレビ会議のしやすさといった、設備や環境が決め手でした。加えて、もともと「みしま未来研究所」周辺の緑や綺麗な水といった自然環境がすごく好きだったとも聞いています。

サテライトオフィスで人事労務関連のコンサルティングを提供

▲三島市のサテライトオフィス「みしま未来研究所」にて
▲三島市のサテライトオフィス「みしま未来研究所」にて

――サテライトオフィスでの業務内容を教えてください。
人事労務に関する、経営改善のコンサルティングを完全オンラインで提供しています。助成金に関するコンサルティングや、ITを活用した労働環境作りのノウハウを完全オンラインで全国の企業を対象に提供しています。

具体的には、三島で働く社員はコンサルタントとして、お客様の人事労務に関する相談に対応したり、社会保険や労働保険などの行政手続きを電子申請で代行したり、各種就業規則、雇用契約書など帳簿類のメンテナンス補助を担当しています。対面でサービスを提供するという業務内容ではないので、サテライトオフィスで対応できています。

また、三島市のサテライトオフィスに浜松市や名古屋市の社員が集まる、「エリア別出社」の場としても活用しています。

▲社員が三島市に集まったときの記念写真
▲社員が三島市に集まったときの記念写真

――「エリア別出社」はどのような取り組みでしょうか?

弊社は全国各地に社員がいてリモート会議等は毎日のように実施しているものの、直接会ったときのような「相手の雰囲気を感じ取りながらのコミュニケーション」が難しいため、社員間のコミュニケーションの取りづらさが課題の一つでした。

課題を解決すべく、月に1回希望する社員が東京本社等へ集まる全体出社の機会を作るほか、近いエリアのスタッフが各エリアで集まって業務にあたる機会を設けており、この制度が「エリア別出社」という取組です。

三島市は東京だけではなく名古屋市や浜松市からのアクセスも良いですよね。実際に私も先日初めて三島市へ伺い、熱海と沼津に近く食事も美味しい本当に素敵な街だと感じました。

サテライトオフィス設置が社員の満足度アップにつながった

▲「みしま未来研究所」にある「みんなの広場」は、地域に開かれた集いの場になっている
▲「みしま未来研究所」にある「みんなの広場」は、地域に開かれた集いの場になっている

――実際に三島市にサテライトオフィスを開設してみて、メリットはありましたか?

三島市のオフィスを探してきた社員は子育て中の女性社員で、サテライトオフィスを利用するようになってから、業務に集中しやすくなり、オンオフのメリハリがつくようになったと言っています。会うたびに「三島市にサテライトオフィスを設けてくれてありがとうございます!」と何度も感謝されます。

サテライトオフィスが入っている「みしま未来研究所」は幼稚園をリノベーションした施設で、きれいな自然に囲まれた居心地の良い場所です。そういった環境で働くことで、社員の満足度や幸福度は間違いなく高まっています。

また、三島市のサテライトオフィスをコミュニケーションの場として使うことで、社員同士の信頼関係構築にも役立っています。

▲「みしま未来研究所」の「レンタルスペース」に集まり、一緒に仕事をしているときの様子
▲「みしま未来研究所」の「レンタルスペース」に集まり、一緒に仕事をしているときの様子

――実際に会ってコミュニケーションをとるということは、やはり重要なのでしょうか?

重要ですね。実際に会うことの良さは「直接、相手の雰囲気を感じ取りながら、質の高いコミュニケーションができる点」や「ちょっとした余談・雑談を発生させつつ、より高い次元でのコミュニケーションができる点」だと思います。

テレビ会議でコミュニケーションをとることも可能ですが、どうしても「相手の時間を割いてもらっている」という感覚を強く持ってしまうと思うんです。

だからお互いに余計な話はしないようにするし、そこからは最低限に必要な会話しか生まれません。結果として余白が生まれにくいのです。

しかしサテライトオフィスのような実際に会って話せる場所があると、余白が生まれやすくなり、雑談を通してコミュニケーションが促進されます。

実際に同じ部署内のメンバーだけでなく、日頃接する機会が少ない他部署のメンバーともコミュニケーションが生まれるなど、これまでの経験から間違いなく効果があることがわかっているんです。

▲実際に会うことでお互いのことをより深く知り、新たなコミュニケーションが生まれる
▲実際に会うことでお互いのことをより深く知り、新たなコミュニケーションが生まれる

――今後もサテライトオフィスの活用を増やす予定はありますか?

弊社は、社員の希望に合わせてサテライトオフィスを使っていますが、全国に社員が増えているので今後も活用が増えていくと思います。

北海道なら札幌、関西は大阪、東海は名古屋といったように、近隣の仲間が集まることのできる環境があるのは良いと思います。

弊社は全社員がテレワーカーだからこそ、実際に会える場所があることの大切さを感じているんです。

また、柔軟に働ける環境を整えることは、より良い人材の採用にもつながると考えています。弊社が2020年に求人を出したときには、専門性が高い分野の募集だったのにも関わらず10日間で600件もの応募があり、応募の理由として「新しい働き方に取り組んでいる会社は魅力的」「世の中の働き方改革を推進する事業内容に可能性を感じる」という声が多くありました。


――最後に、サテライトオフィス設置を検討している方へのメッセージをお願いします。

社員の声を聞き、就業環境を整えようと考えてきたことがサテライトオフィス設置につながりました。ひとりひとりが安心して働ける労働環境を作ることは、企業の利益にもつながります。本社との距離感や仕事が進むのか?と不安もあるとは思いますが、今はテクノロジーも充実していて、バーチャルオフィス関連のITサービスなどを使い、まるで同じオフィス空間で働いているかのようにコミュニケーションをとることもできます。

三島市のような自然豊かな環境の中、なじみのある地元で暮らしながら業務を行えるのはサテライトオフィスの大きなメリットです。はじめは様々な懸念事項があるかと思いますが、もし社内でニーズがあるのであれば、社員を信じてサテライトオフィス設置を前向きに考えてみてほしいなと思います。

今回サテライトオフィスを設置した「みしま未来研究所」はこちら

▲コワーキングスペースは至るところに木材が使われており優しい雰囲気(画像:みしま未来研究所HPより)
▲コワーキングスペースは至るところに木材が使われており優しい雰囲気(画像:みしま未来研究所HPより)

2019年1月に完成した「みしま未来研究所」は市内で一番歴史の古い幼稚園をリノベーションして生まれた、コミュニティスペースです。NPO法人みしまびとが「地域の未来をつくる人を育てる場」という思いを持って運営し、コワーキングスペース、レンタルスペース、カフェ、広場、学生学習室などさまざまな機能を持つ複合施設となっています。

コワーキングスペースにはブース席とフリー席を用意。ミーティングスペースがあり、打ち合わせや会議もできます。自己紹介やイベントの宣伝など自由に使えるボードや定期的な交流タイムを設け、利用者同士の交流から新しい仕事や活動につながることもあります。
「おはようございます」「お先に失礼します」などの会話もあるので、会社の中で仕事をしているような空間です。

▲カフェバーではさまざまなドリンクが楽しめる(画像:みしま未来研究所HPより)
▲カフェバーではさまざまなドリンクが楽しめる(画像:みしま未来研究所HPより)

大中小のレンタルスペース3ヶ所では、セミナーやイベント、体験教室などに利用されています。一般の方も利用できるカフェバーや広場があり、仕事中の休憩時に使いメリハリのある時間を過ごしています。

運 営:特定非営利活動法人みしまびと
所在地:〒411-0858 静岡県三島市中央町6-2
電 話:090−7680−2099
アクセス:三島駅南口から徒歩12分、三島広小路駅から徒歩7分、三島田町駅から徒歩6分
※専用駐車場はありませんので、お車でお越しの場合は近隣駐車場をご利用ください。

《ライター・片岡由衣》

【みしま未来研究所の詳細はこちら→ https://mishima-mirai.com/】