南伊豆町がスタートアップの起点に。町をもっと盛り上げたい!
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【Profile】
「SENA株式会社」代表取締役・生畑目星南(なばためせいな)さん
神奈川県横浜市出身、横浜市在住。新卒で人材派遣会社に入社するが、半年ほどで退職。その後、いくつかの職を経験した後、フリーランスに転身。30 歳目前の2019 年 7 月に「SENA株式会社(以下、SENA)」として法人化する。
WEBマーケティング事業(HP作成、広告運用、営業資料作成)や、コンサルティング事業(経営課題分析、戦略構築、行動計画の策定・実行)、地域にぎわい事業(地域事業者のPRに関する課題解決)を主な事業とする。特に、中小企業経営者のコンサルティング経験を活かした思考の整理と可視化を得意とし、企業と個人にスポットライトを当てることを事業の中心に据える。自社コンテンツの「スポカン会議」が南伊豆町役場の担当者の目に留まり、南伊豆町に招かれる。2020年7月、南伊豆町へサテライトオフィスを設置。
「SENA株式会社」地域コーディネーター・松本麻依(まつもとまい)さん
神奈川県横浜市出身。愛知県名古屋市で20年ほど過ごす。兄が10数年前に松崎町へ移住したことが縁で、伊豆の海や山などの自然の美しさに魅了される。2018年に仕事を退職し、西伊豆町へ移住。現地で生活するうちに自分が住む町の問題点や可能性を感じ、地方創生に関心を寄せる。そんな時、知り合いから南伊豆町で地域活性を行う取組を始めようとしていた「SENA株式会社」を紹介される。南伊豆町のサテライトオフィスのスタッフとして、2020年10月に地域コーディネーターの仕事に就く。
※生畑目さんには横浜からオンラインにて取材に応じていただきました。写真は横浜にて撮影されたものです
・横浜本社
〒240-0012 神奈川県横浜市保土ヶ谷区月見台7-12
・南伊豆営業所
〒415-0303 静岡県賀茂郡南伊豆町下賀茂839-3
https://senadesign.xsrv.jp
南伊豆町ってどんなところ?
伊豆半島は、もともと南の海で海底火山の隆起によって生まれた島。それが本州にぶつかり、今の形になりました。独特の地形が他にはない美しい自然風景を形成しています。
その最南端に位置する南伊豆町には、南国を思わせるほどの美しい白浜と透明度の高い海があり、ダイビングスポットとして人気の観光地ではありますが、多くの地方自治体と同様に、人口減少や高齢化が進んでいます。
このため、南伊豆町では、サテライトオフィスやワーケーションの誘致に積極的に取り組んでおり、視察企業のアテンド、宿泊施設のあっせん及び宿泊費用の一部補助、田舎暮らし体験住宅(移住体験施設)の提供、空き店舗を活用する場合の補助制度などを設けています。
また、令和2年度中に「地域子育て支援センター」にコワーキングスペースを整備予定であることにくわえ、令和3年度の新たなシェアオフィスの整備に向けて準備を進めています。
【その他南伊豆町にサテライトオフィスを開設した事例記事はコチラ】
株式会社プレジャー
南伊豆町にサテライトオフィスを出した経緯は?
当社はまず個人事業主としてスタートし、2019年7月に横浜を拠点に法人化した会社です。
2020年5月に「スポカン会議(=Spot light on the Local Company =地域で活躍する中小企業に光を)」というサービスをリリースしました。
「スポカン会議」では、地域に根付いた事業者にスポットライトを当て、魅力的な経営者のインタビューをライブ配信し、その存在を広く発信しています。また、オンライン上でクリエイターと企業を結びつけ、PR戦略をその場で考えて知名度向上につなげたり、自社の経営資源の棚卸しや強み、機会の把握により新たな事業展開を検討するサービスを展開しています。
各地域には素敵な想いで事業に取り組まれている事業者が多く、生み出される商品は魅力あるものだと思います。しかし、それがなかなか世の中に知られていないという現状にもどかしさを感じていました。どうしたらそれを知ってもらえる機会がつくれるかを考え、この「スポカン会議」のサービスをつくりました。
2020年はじめ、下田市で開催された、地域が抱える課題を解決しようというワークショップに参加した際に南伊豆町の役場の方と知り合い、「ぜひうちの町でスポカン会議をやってもらえないか」と声をかけていただきました。
南伊豆町の事業者の方々も、商品やサービスのPRに困っている方が非常に多いものの、それを相談する相手がいないとのことでした。
そこでこのスポカン会議を通して、外部のクリエイターのスキルや経験を活かしてもらいながら、南伊豆の事業者の魅力を発信するお手伝いができればと思い、2020年5月に南伊豆町にサテライトオフィスを構えることになりました。月に1事業者のお手伝いをすることを目標とし、普段、私自身は横浜にいるので、現地スタッフとして西伊豆在住の松本さんを雇用しました。
開業の場所はどのようにして探したのか?
シャッター商店街となっていた空き店舗を改修したコミュニティスペース「きよりや」を、南伊豆町役場から紹介してもらいました。
当時「きよりや」は、地元有志の方々がクラウドファンディングを通じて改修したそうですが、あまり活用されていなかったそうです。ここを地域コミュニティの拠点として活用してほしいという南伊豆町の要望もあり、「きよりや」にサテライトオフィスを設置することになりました。
サテライトオフィスを開設した効果は?
2021年に入ってからスポカン会議がきっかけで「南伊豆町のファンを増やそう」というプロジェクトがスタートしました。
東京在住のクリエイターと話を進めていたのですが、そのクリエイターの中にはもっと南伊豆町に関わりたいと、東京と伊豆での2拠点で生活をスタートした人もいます。
また、他のクリエイターたちや南伊豆町の地域の方とともに、合宿会議を開催しました。事業者の方からは「自分では思いつかなかったような斬新なアイデアをもらえた」「クリエイターの方が、自分事のように私たちの会社のことを真剣に考えてくれて、今後も関わってもらえるというのはとても嬉しい」など、好評の声をいただきました。クリエイターの方からも「刺激になった」「事業者の課題解決案を他のクリエイターさんのアイデアとともに考えるのは、非常に勉強になった」というような声があり、事業者、クリエイターの双方にメリットを感じてもらうことができました。
また、このような活動が、今まで南伊豆町に接点がなかった人が訪れるきっかけにもなりました。そして、これからどうやって南伊豆町を盛り上げていこうか、今、少しずつ動き出しているところです。
松本さんには、地域事業者の課題解決支援や、スポカン会議の運営をサポートしてもらっています。徐々に地域の方とも繋がりができ、充実して仕事に取り組めているようです。
松本さんは「南伊豆町の陽が明るいところや、毎日異なる海の顔、地層がぶつかって生まれたこの独特の地形が創り出す雰囲気が魅力的です。仕事をしていてもストレスを感じにくいですし、近くの方がお昼ご飯を持ってきてくれるなど、とてもよくしてもらっています。」と言っています。
また、松本さんがコミュニティスペース「きよりや」に常駐するようになったことで、住民の方が井戸端会議をしに来たり、子ども会がイベントの場所に使ってくれたりと、少しずつ人が訪れるようになり、賑わいの拠点になりつつあるようです。
南伊豆町は、町の可能性を信じて挑戦を続ける人がたくさんいることが大きな魅力だと考えています。民間と行政の距離が近く、信頼関係をもとにさまざまな施策が行われていると感じます。さらに、サテライトオフィスの進出やワーケーション施設の拡充にも力を入れており、外部からの受入体制が整いつつあるのも大きな魅力です。
南伊豆町は、今はまだ注目を浴びていないだけで、近い将来必ずスポットライトが当たる場所だと信じています。
当社もそこに貢献したいです。
今回サテライトオフィスを設置した場所はこちら
コミュニティスペース「きよりや」
所在地:〒415-0303 静岡県賀茂郡南伊豆町下賀茂839-3
TEL:090-3258-4928
アクセス:伊豆急下田駅から車で20分強。南伊豆町役場近く。
公式HP:https://e-office.space/minamiizu-by-kiyoriya/
様々な人たちが出入りすることで、下賀茂商店街に人の集まる場所をつくりたいという思いを持った有志が、クラウドファンディングで改修費の一部の寄付を募り、空き店舗をリノベーション(現在も少しずつリノベーションを続けているとのこと)。
現在は、「SENA株式会社」がサテライトオフィスとして利用する他、製麺業を営む移住者に製麺所としてキッチンスペースを貸し出すことや、南伊豆町社会福祉協議会が行う子どもの居場所づくりの場として貸し出しなどを行なっています。
今後は、カウンターキッチンを整備し、カフェとしても運用していく予定です。