動画をチェック!

株式会社さくらコミュニケーション
https://www.sakura-communication.co.jp

2003年8月設立。
生命保険・損害保険・証券・銀行などの金融業界の基幹システムを中心としたソフトウェア開発を主軸に事業展開。
近年は、欧米やアジア諸国のクライアントに対するマーケティングコンサルティングや、ウクライナ企業との協業によるオフショア開発(※)など、他分野や海外に向けてビジネスを拡大。
事業展開を通じ、世界で活躍できるグローバル人材の育成に挑戦している。

※オフショア開発…主にソフトウェアやWEBシステムなどの開発業務を、海外の企業やリソースを活用して行うこと。

・東京本社
〒187-0011 東京都小平市鈴木町1-466-18 新小金井赤レンガ倉庫

・静岡オフィス
〒420-0852 静岡県静岡市葵区紺屋町17-1 葵タワー1階

株式会社さくらコミュニケーション 取締役 桑村 時生(くわむら ときお)さん

埼玉県出身。
18歳でプログラマーとなり、23歳の時に株式会社さくらコミュニケーションの創業メンバーとして入社。
10年間技術職でキャリアを積んだ後、次期経営メンバーへの成長の期待を受け、経営全体を把握し管理側の役割を経験するため、営業職となる。
海外への社員旅行をきっかけに20代から語学の勉強を始め、実力がついてから仕事に活かすようになった。
また、30代では日々の仕事に行き詰まりを感じ、組織論、リーダーシップ論、マーケティング論など、日々の業務に直結する学問を学ぶことがヒントになると考え、先人の先輩方の集合知を効率よく体系的に学習できる経営学を大学で学んだ。

プライベートでは、東日本大震災でボランティアグループを設立。
ボランティア意識の高い外国人を含め、延べ100名以上のメンバーとともに活動。
計画通りに活動が進まない状況下においても、リーダーシップ・問題解決力・コミュニケーション力・語学力などを活かし、価値観の異なるメンバーをまとめあげた。

2003年 株式会社さくらコミュニケーション 入社
2016年 株式会社さくらコミュニケーション 取締役就任
2018年 NPO法人JASIPA(※) 理事就任
2021年 国際文化交流Webサービス「TereTere」 開発

※JApan information Service Innovation Partners Association。「中堅・中小企業のIT化推進を支援」「会員企業の共存・共栄を目指す」を掲げる、ITベンチャー企業の団体。

静岡市ってどんなところ?

▲雄大な富士山を臨む三保松原(みほのまつばら)は、古くから名勝地として知られる(提供:静岡市)
▲雄大な富士山を臨む三保松原(みほのまつばら)は、古くから名勝地として知られる(提供:静岡市)

まずは、静岡市について静岡市経済局商工部産業振興課 阿部 学(あべ まなぶ)主任主事にお話を伺いました。


――静岡市について教えてください。

静岡市は、静岡県のほぼ中央に位置し、全国の政令指定都市で2番目の面積を有します。
静岡県の県庁所在地であり、商業・経済・文化の中心で、2019年の製造品出荷額は県内第1位の2兆1,200億円を誇ります。
1年を通して温暖で過ごしやすい気候のほか、豊かな自然環境が身近にありながらも、東京駅まで新幹線で約1時間で行くことができる首都圏へのアクセスの良さも魅力です。

また、徳川家康が祀られた久能山東照宮(くのうざんとうしょうぐう)や弥生時代の集落・水田遺跡である登呂遺跡(とろいせき)など、歴史・文化の拠点が市内各地に点在しています。
中でも、静岡市清水区にある三保松原は、「日本新三景」「日本三大松原」の一つであり、世界文化遺産「富士山」の構成資産の一つに登録され、全国にその名を知られています。


――企業誘致や企業支援の取組を教えてください。
静岡市はものづくり産業が盛んなまちですが、人口減少による労働力不足などの問題を抱えており、今後生産性の向上や産業の高度化を図っていくためには、IT産業との連携が不可欠であると考えています。
しかしながら、静岡市はIT人材が不足しているという現状があることから、人材を集め育てる政策に力を入れています。例えば、コロナ禍で地方進出に注目が集まっていることを追い風に、産業振興課と静岡市東京事務所が連携して、首都圏のIT・ICT企業などに静岡市の魅力や支援制度を積極的にお伝えしています。

また、サテライトオフィス開設後のビジネス展開を具体的にイメージしてもらえるよう、金融機関の担当者、大学の就職課などの紹介を行っています。


【その他静岡市にサテライトオフィスを開設した事例記事はコチラ】
myProduct株式会社
株式会社エイ・アイ・エス

長年ぼんやりと考えていた「地方での拠点作り」が静岡県からのアプローチで現実的に

▲静岡オフィスで業務にあたる桑村さん(「リージャス静岡葵タワー」共有スペースのラウンジにて)
▲静岡オフィスで業務にあたる桑村さん(「リージャス静岡葵タワー」共有スペースのラウンジにて)

続いて、静岡市にサテライトオフィスを開設した株式会社さくらコミュニケーションの取締役 桑村時生さんにお話を伺いました。


――静岡市にサテライトオフィスを開設することになったきっかけを教えてください。

弊社は、静岡オフィス開設以前は東京本社が唯一の拠点でした。
とは言え地方出身社員が多く、また7年前からリモートワークを導入していたことから、地方拠点を作ることについて5年ほど前からぼんやりと考えていたんです。

地方の若者は一度は都心に住みたいと考えます。しかし年齢を重ねると、家庭環境の変化や、結婚・子育てを考え、都心から少し距離を置いて仕事や生活をしたいと考える人が増えるようです。
そうした背景もあり「地方に拠点を作ることで採用時からライフプランを提案できるのではないか」と、本格的にサテライトオフィス開設の検討を始めました。

検討を始めた2021年の6月頃のタイミングで、静岡県からサテライトオフィス開設に関するアンケート調査の依頼を受けました。
回答したところ、静岡県東京事務所からアプローチがあり、情報収集を兼ねてまずは話だけ聞いてみたのですが、補助金やサポートなど「これほど充実した支援を受けられるのか!」ととても驚きました。
地方に拠点を作ることは夢物語だと思っていたのですが、そういった支援があることを知って一気に現実味を帯びました。

静岡県・静岡市の手厚い支援でサテライトオフィス開設を即決

――静岡県からアプローチがあったのですね。そこからどのようにしてサテライトオフィス開設に至ったのでしょうか。

静岡県東京事務所からのお話をきっかけに、他県のサテライトオフィス開設支援について調べてみました。力を入れている自治体は数多くありましたが、やはり静岡県、中でも静岡市が地方進出の第一歩として良いと判断しました。

静岡市は、自然環境に恵まれつつ、都市機能も充実していて利便性が高い。加えて、東京から遠くもなく近すぎもない、ほどよい距離感を魅力に感じたのです。

その後、百聞は一見にしかずということで、静岡県東京事務所の職員に案内いただきながら静岡市内の2軒のシェアオフィスを見学し、「リージャス静岡葵タワー」への入居を決めました。

アンケート調査の依頼を受けてから入居決定まで、要した期間はわずか3ヶ月足らずでした。

▲静岡オフィスが入居する「葵タワー」
▲静岡オフィスが入居する「葵タワー」

――「リージャス静岡葵タワー」への入居の決め手はどういったところでしたか?

立地や賃料といった条件は見学した2軒のいずれも満たしていましたが、「リージャス静岡葵タワー」を選んだのは、洗練されたデザインと「葵タワー」内にあることが決め手でした。

「葵タワー」は静岡駅直結の市内で最も高いランドマークタワーです。静岡県内での認知度がとても高く、地域のお客様との会話で「ああ、あの葵タワーの!」と話が弾みます。

全社員の名刺には東京本社と静岡オフィスの両方の住所を入れており、都内での商談時には、静岡オフィス開設が会話のきっかけになっています。


――サテライトオフィス開設にあたって、行政の補助金は活用されましたか?

オフィスの賃借料や人件費について3年間の助成を受けられる静岡県の「ICT関連産業立地事業費補助金」と、静岡市内のシェアオフィス利用料の1ヶ月分の助成を受けられる静岡市の「Move To しずおか「新しいビジネス様式」支援事業」を活用しています。


――3ヶ月足らずという短期間で静岡県での拠点開設を決められましたが、振り返ってみていかがですか?

静岡県は関東と関西をつなぐ要衝で、東海道の宿場町として栄えてきた歴史があります。
さらに年齢分布や気候、産業の構成が全国の平均に近く、「日本の縮図」とも言われていると聞いたことがあります。

こうしたことから、静岡県はテストマーケティングの好適地として知られており、静岡県で事業展開すると全国にも展開しやすいと言われています。「価格も静岡県で決まる」という話もあるほどです。

元々考えていた採用活動はもちろん、新規事業の全国展開の足掛かりになることも期待できます。加えて静岡市は県の中心に位置するので県内移動がしやすく、静岡市に拠点を開設して本当によかったと思っています。

サテライトオフィス開設を通じて広がる「人とのつながり」

▲取引先にも大好評の、洗練されたデザインの「リージャス静岡葵タワー」(共有スペースの通路)
▲取引先にも大好評の、洗練されたデザインの「リージャス静岡葵タワー」(共有スペースの通路)

――静岡オフィスを使い始めてまだ1ヶ月(2021年12月時点)とのことですが、どのような業務をされているのでしょうか。

静岡オフィスに常駐しているのは私1人で、主に商談や関係性作りを行っています。
また、東京本社の営業メンバーが静岡での商談時に活用しています。
現在は2人用の小さい部屋を借りていますが、今後事業が拡大したらスペースを広げたいですね。


――サテライトオフィスを開設したメリットをどのようなところに感じていますか?

先日、静岡オフィスで、全国展開をしているIT企業の静岡支社の方と商談をしました。
静岡市にオフィスを開設したことを伝えたところ、「一緒に何かやりましょう!」と声を掛けてもらったんです。
このように、静岡オフィスを開設したことが新たなビジネスチャンスにもつながっています。

さらに商談後、その方がリモート会議があるため場所を探していたので、「このまま空いている場所を使ってください」と静岡オフィスを使ってもらいました。
これが大変喜ばれて、仲を深めるきっかけになりました。


――商談の場として使うだけでなく、仲を深める場所としても活用できたのは素敵ですね。

コロナ禍を受け、オフィスの規模縮小や業務の完全リモート化、バーチャルオフィスの活用を実施する企業が増えています。
しかし弊社は、WEB上でのコミュニケーションに加えて、訪問してもらえる場所があることが大切だと思っています。

緊急事態宣言が解除されてからは、社内での対面コミュニケーションを意識的に増やしています。
静岡オフィスの開設準備に来た時には、みんなで温泉に行きました。
対面で会った時の雑談から生まれるコミュニケーションの良さを、静岡オフィス開設を通じて改めて感じています。


――他にメリットを感じていることはありますか?

静岡県産業イノベーション推進課から、静岡県内の様々な人を紹介してもらっています。

例えば、銀行口座開設時に地元の銀行を紹介していただき、当社の事業概要を説明させていただきました。
その結果、弊社と事業連携していただけそうな地元企業を紹介していただくなど、人から人へのつながりが広がっています。
見ず知らずの土地では、コネクションや信頼関係を得るのに時間がかかります。
行政の方に仲介いただけることで、スムーズに人脈を広げていくことができており、本当にありがたいです。

地域資源を活用したグローバル人材の発掘にも挑戦!

▲(株)さくらコミュニケーションが提供する「TereTere - 仮想空間国際交流コミュニティ」
▲(株)さくらコミュニケーションが提供する「TereTere - 仮想空間国際交流コミュニティ」

――静岡は学生の多いまちでもあります。採用面でプラスの影響はありそうですか?

具体的な取り組みはまだこれからですが、静岡県労働雇用政策課から大学の就職課を紹介していただいたのでとても期待しています。
またこれまであまりアプローチをしていなかった、文系の学生にも当社をぜひ知ってもらいたいですね。


――文系の学生を積極的に採用するようなお考えがあるのでしょうか。

はい。一般的にソフトウェア開発を行うIT企業は、情報処理などを学んだ理系の学生を中心に採用します。
しかしながら、海外への事業展開を考えると、経営学やマーケティング、語学力、さらには海外の文化など、文系の専攻内容に精通しているグローバルな人材が必要だと考えています。

またそういった人材の発掘や育成につなげるため、学生と地元企業、東京のビジネスマンが一緒に旅行や農業をしながら交流する、新しいプロジェクトを検討しています。


――面白そうです!静岡の地域資源を活かすことができそうなプロジェクトですね。

そういったプロジェクトを通じて「人のつながり」を作りたいと考えています。

弊社では、仮想空間でアバターを使って国際交流ができる「TereTere」というサービスを展開しています。そのサービスではおよそ20ヶ国の人たちが交流し、会話を楽しむことだけでなく、語学や文化の学びも生み出しているんです。
しかしそんな中でも、人々がリアルなつながりを求めていることを感じています。

加えて、コロナ禍によりオンラインによる交流が急速に広がりましたが、正直なところ、今の世の中はオンラインに少し飽きているように感じられます。
私自身もリアルな交流が好きなので「オンラインで交流しているグループがオフラインでも交流できる」という流れを生み出したいと思っています。

東京の飲食店で集まるといった交流も良いですが、せっかくなら自然に恵まれた静岡県で一緒に過ごして日々のストレスを解消!みたいなことができると良いですね。
例えば、東京の人に川根本町で茶摘みをしながら交流してもらう、といったことも面白いのではと考えています。


――地方創生や静岡の活性化にもつながりそうですね。

「静岡にいながら、グローバルな人たちと出会えて遊べて仕事ができる」「地方でも、人に恵まれた豊かな生活ができる」そういったことにつながるのではと考えています。

同時に、学生が弊社に興味を持ってくれるきっかけにもなればと思っています。
また、これまでの採用においては、弊社の求める人物像と学生が期待する会社像のミスマッチが課題の一つでしたが、交流を通じて入社前にお互いを知ることで、離職の抑制にもつながるのではないかと期待しています。

サテライトオフィス開設を検討しているなら、まずは動いてみよう!

▲東京本社の社員の皆さん。静岡県焼津市出身者もいる
▲東京本社の社員の皆さん。静岡県焼津市出身者もいる

――サテライトオフィスに関する今後の展望をお聞かせください。

静岡県内の中小企業の力になりたいと考えています。

東京でも「ITで経営課題を解決したいけどよく分からない」と苦労している企業が多く、「最近ようやくEメールを使うようになりました」「LINEを使い始めました」といった企業がまだまだあります。地方だとなおのことです。

ただ、どうやって支援するかは、多くのIT企業にとって課題でもあります。
例えば、在庫管理で困っている企業のために在庫管理システムを作る場合、どう頑張っても数百万円かかってしまいます。
これだと中小企業は、我々のようなソフトウェア開発企業に依頼はできません。

そこで弊社は今、様々な企業の話を聞き、共通の経営課題を集めて、月額数千円からの低価格で使えるWebサービスを作ることを考えています。
こういったサービスに力を入れているIT企業はそう多くないので、挑戦する意義は大きいでしょう。

静岡県は製造業・農業・水産業も盛んで、仕事や人がたくさん存在し、海や山といった自然資源も豊富にあります。
お客様の課題をITによってどう解決できるのかをコンサルティング領域まで踏み込んで取り組めば、全国・海外へ展開できるサービスを静岡県で生み出せるのではないかと夢が広がっています。


――その他に考えていらっしゃることは何かありますか。

「静岡オフィスに軸足を置きながら、研修などの機会に東京本社に行く」という社員を増やしたいと考えています。

多くの若い人が一度は東京に住みたいという希望を持っていますが、30〜40代になり子育て等を経験すると価値観は変わってきます。

収入が確保できるなら、地方で暮らす方が絶対に良いはずです。地方でも豊かな生活はできますからね。


――最後に、サテライトオフィス開設を検討している企業へメッセージをお願いします

夢物語で5年間考えていたサテライトオフィス開設が、静岡県のアプローチを受けてからわずか3ヶ月で実現できました。これからの可能性が本当に楽しみです。

サテライトオフィス開設は案外敷居が低く、もっと早く動いていれば良かったと思っています。
もし地方でのサテライトオフィス開設に興味があるなら、まずは動いてみることをおすすめします!

(株)さくらコミュニケーションがサテライトオフィスを開設した「リージャス静岡葵タワービジネスセンター」はこちら!

▲個別スペースのほかに開放的なラウンジも利用できる(「リージャス静岡葵タワー」共有スペースのラウンジ)
▲個別スペースのほかに開放的なラウンジも利用できる(「リージャス静岡葵タワー」共有スペースのラウンジ)

JR静岡駅直結のシンボルタワー「葵タワー」内にある「リージャス静岡葵タワービジネスセンター」。

1名用の小型区画から数十名で入居できる区画まで、様々なタイプのワークスペースがあり、入居者専用の貸し会議室、プリンターやオフィス家具などオフィスに必要な設備が整っています。

コーヒーやカフェラテなどの飲み物が無料で、受付や清掃などのサービスも充実。
起業家やベンチャー企業の本社として、また、大手企業の静岡支社・支店・営業所、サテライトオフィスにも最適です。

「葵タワー」は地下2階+地上25階建、高さ125メートルと静岡市内で最も高いビルで、オフィスや飲食店に加え、「静岡市美術館」を併設。隣に地上10階地下1階建ての駐車場が連結しているため、利便性が高い周辺環境となっています。

運 営:日本リージャスホールディングス株式会社
所在地:〒420-0852 静岡県静岡市葵区紺屋町17−1 葵タワー1F
電 話:0120-965-391
アクセス:東海道新幹線・東海道本線 「静岡駅」北口より直結、東名高速道路「静岡I.C」から車で15分
公式HP:​​https://www.regus-office.jp/area-serch/shizuoka-city/shizuoka-aoi-tower/


《ライター・片岡由衣》