【富士市・富士宮市】 富士の麓で自然&地域交流でビジネスの可能性を探索するツアー
富士市は、静岡県で浜松市、静岡市に次いで3番目に人口が多く、富士川や富士山の伏流水による良質な水資源に恵まれ、製紙業が盛んな地として知られています。また、都心から新幹線を利用し約1時間でアクセスができる新富士駅を有することから、近年は首都圏からの移住地としても注目されています。
富士宮市は、全国1,300余の浅間神社の総本宮として知られる「富士山本宮浅間大社」や、平成29年に開館した「富士山世界遺産センター」など、世界遺産である富士山の構成資産を主とした豊富な観光資源を有しています。また、「B-1グランプリ」の初代グランプリに輝き、殿堂入りを果たした全国的にも認知度が高い「富士宮やきそば」を求め、全国から多くの方が訪れる場所でもあります。
首都圏からアクセスの良い静岡県の東部地区において、隣接しながら違った魅力を持つ2市を巡り、自然や文化、産業、そして地域の方との交流を通して、ビジネス拠点としての可能性、適性を探りました。
ツアー概要
〇日時:令和3年11月3日~5日
〇開催地:富士市・富士宮市
〇行程概要:
11月3日(富士宮市)
~ワーク・体験・交流会~
・ホールアース自然学校(富士宮市)
~視察~
・富士山本宮浅間大社(富士宮市)
・静岡県富士山世界遺産センター(富士宮市)
~食事~
・お宮横丁(富士宮市)
・ホールアース自然学校(BBQ)(富士宮市)
~宿泊~
・富士山ゲストハウス掬水(富士宮市)
11月4日(富士宮市→富士市)
~ワーク~
・14 Guest House Mt.Fuji(富士市)
~体験・視察~
・富士宮市内E-BIKE(富士宮市)
・富士銘茶 くぼた園(富士市)
・吉原商店街(富士市)
~食事~
・白糸滝養漁場(テイクアウト)(富士宮市)
・唐揚げ十四番(富士市)
~宿泊~
・東横イン新富士南口(富士市)
11月5日(富士市)
~ワーク・交流会~
・LITTLE L(富士市)
・WORX富士(富士市)
~食事~
・田子の浦港 漁協食堂(富士市)
【参加者】
SIZ株式会社 鈴木 規仁(すずき のりひと)氏
〇本社所在地:東京
〇事業内容:IT関連(再生可能エネルギーを活用したまちおこし事業など)
〇サテライトオフィス開設検討理由:現地の優秀な人材の採用と、事業内容に鑑みた市町との連携
〇このコースを選んだ理由:首都圏近郊でサテライトオフィスの開設を検討しており、新幹線でのアクセスが良好な富士エリアについて、実際に足を運んで現地の様子や市町の取組を知り、サテライトオフィス候補地として検討を深めたかったため
〇会社HP:SIZ株式会社
株式会社wondertrunk&co. 笠井 大介(かさい だいすけ)氏
〇本社所在地:東京
〇事業内容:広告・マーケティング業、インバウンド旅行事業
〇サテライトオフィス開設検討理由:日本中様々な場所で働ける環境づくりを進め、事業の発展のためにまだ知らない地域資源の発掘をしていきたいため
〇このコースを選んだ理由:富士市・富士宮市を旅行先とした事業を検討しており、地域の方との交流を通して人的ネットワークの拡充と、地域資源の発掘をしたいため。また、事業を展開する上で地元行政の意識・意欲の温度感を知りたいため
〇会社HP:株式会社wondertrunk&co.
サテライトオフィス開設目的を達成する可能性は?
鈴木氏:弊社は、主に都心で勤務する自社グループ社員のリフレッシュ及びグループ子会社の新規事業展開と、地方での優秀な人材確保ができ、都心から2時間以内のエリアで拠点を探しています。この目的や条件を念頭に今回のツアーに参加し、富士市・富士宮市が東京からのアクセスが良好であり、自然環境が充実していること、また今後、富士市ではIT活用に力をいれていく計画が具体的に進んでいることを知り、これらは弊社の求めているサテライトオフィス開設の条件に合致すると感じました。
まず、東京駅から新富士駅まで新幹線で約1時間で往来が可能で、緊急時はすぐに東京に戻ることができる立地は非常に優位です。また、新富士駅から富士山が目の前で一望でき、東京からは見ることができないこの景色は弊社社員も喜ぶと思います。初日は、富士宮市内の商店街を散策した際に名物の「富士宮焼きそば」を食べ、富士山本宮浅間神社へ参拝しました。2、3日目は、E-BIKE体験や田子の浦港漁協食堂での昼食などを満喫しました。アクティビティやご当地グルメの充実度が高く、正直なところ富士市・富士宮市は「製紙業が盛んな工業地帯」のイメージが強かったので、ここまで楽しめるとは思いませんでした。やはり現地に訪れたからこそ気づけたことだと思います。富士山が近くにあることを感じながら働き、時にアクティビティを楽しめる富士市・富士宮市の環境は、弊社のサテライトオフィス開設目的の「リフレッシュ」という面が十分に達成できると思いました。
次に、富士市が「富士市デジタル変革宣言」という宣言を打ち出し、今後様々な分野でIT化を推進していくという話を、富士市産業政策課の方から聞くことができた点は弊社にとって重要です。今後富士市としても「市民サービス」「地域活性化」「行政経営」の3つの領域においてIT化を進めていく予定ということで、弊社の事業領域とマッチし、色々と事業連携できるのではないかと、お話を聞いている中でイメージしていました。また、「富士市テレワーク実践会議室」では、市内の企業及び個人事業主に対し、テレワークやDXについての基礎的な支援や、実際の機器の導入を含めた具体的な業務効率化の方法の提案などを行っており、このような取組から、行政の本気度が伝わってきます。場所に縛られない働き方が富士市に定着すれば、新しい働き方を求める方やデジタル人材がこの場所に集まり、弊社が必要とする優秀な人材を確保できます。さらには東京と富士市間での行き来が容易であること、これはIT企業にとってこの上ない環境ではないでしょうか。
新富士駅までちょうどいい距離間で都心からアクセスすることができ、これからデジタル変革を目指す富士市は伸びしろのあるエリアだなと感じます。IT事業を展開している弊社としては、これからビジネスチャンスがどんどん創出されそうなエリアですので、注目していきます。
訪れた市の印象の変化は?
笠井氏:今回訪問した富士宮市は私の地元で、生まれてから高校時代までを過ごしました。隣の富士市も身近なエリアですし、富士山も見慣れた景色ではあります。そんな私ですが、今回は「サテライトオフィス開設」というビジネス視点を持ちながらツアーに参加したことで、慣れ親しんだエリアであっても、新しい発見が数多くありました。
まずは、観光アクティビティが充実しているという点です。弊社は、インバウンド向けの旅行事業を展開しており、サテライトオフィスを開設する理由の1つである「地方の地域資源の発掘」という点で、貴重な情報収集ができました。富士宮市では「ホールアース自然学校」でのテントサウナ、富士山麓での「E -BIKEサイクリング」を体験し、コンテンツとしての素晴らしさはもちろんのこと、ガイドの方から企業向け研修コンテンツの開発に取り組んでいる話を聞くことができました。富士山周辺にある樹海や洞窟をBtoC向けの観光スポットにとどめることなく、新入社員研修やチームビルディングといったBtoB向けのコンテンツとして、うまく活用し商品化されています。このような新しい取組が、富士宮市内で実施されていることから、弊社としても機会があればこのサービスを利用したいと思います。
また、狩猟により捕獲された野生鳥獣の命を無駄にしないための「富士山麓ジビエ(富士宮市)」、美しい富士山に見守られながら人と人のつながりを創造する「MT.FUJI里山バケーション(富士宮市)」といった新たな施設を紹介いただき、観光のプロである私の目から見ても、地元富士宮市の中で素晴らしい取組が行われいると思うのと同時に、自分の故郷として誇りに思いました。
また、富士宮市の職員との交流で「ビジネスコネクトふじのみや」というものを紹介いただきました。これは富士宮市、富士宮商工会議所、芝川商工会、富士宮信用金庫が連携し、創業等における様々な課題を解決していくといった内容で、富士宮市内での新たなスタートアップを促進する施策です。この制度を活用して富士宮市で創業する人が増え、街としての魅力がさらに上がっていくことが期待できます。市場ニーズなどの情報も提供してくれるため、これから富士宮市内に進出を検討している企業にとって、貴重な情報源となるのではないでしょうか。
富士宮市で生まれ育った私ですが、このツアーを通して新しい発見が色々とありました。これから富士宮市でサテライトオフィス開設を検討している企業は、実際に現地に訪れていただくともっと新しい発見があるかもしれません。今回訪れた施設や行政職員の方々が協力してくれると思いますので、まずは行ってみることをお勧めします。
サテライトオフィス検討中の企業の方へ
鈴木氏:首都圏に本拠地を構えて全国に展開し、社員数2,000人台の中規模な企業グループである弊社から見て、静岡県は働き方改革と人材確保の両面から良い地域だと思います。特に関東圏と中部圏などの東西に拠点のある企業の場合、両方向へのアクセスの良さは魅力的ではないでしょうか。また、首都圏に比べると人や事業所は少ないですが、「自分達の住んでいる地域を自分達で盛り上げる」という「地元愛」を持った方々が、この地に多くいることは、素晴らしいことだと思います。もっと深く知ろうとすればするほど、静岡県はとても良い場所と感じます。ぜひこの地でビジネスの探索をしてみてください。
笠井氏:サテライトオフィス開設の目的は企業毎に異なる一方で、「実際に足を運び、地域の人と会って話を聞き、想いを肌で感じること」が検討において良いプロセスになることは共通すると思います。
今回も、吉原商店街での視察などで思いがけない人々との交流の広がりがあり、人と人が繋がっていき、その地域について色々な話を聞くことができました。自社が新しい地で事業展開することを考える上で、行政職員の熱量、民間企業やその地域に面白い人がどれだけいるかを「実際に自分の目で見て感じる」ことは、長期的に事業をするための重要な判断材料です。まずは現地に行ってそこでの空気を味わってみませんか。素敵な人との巡り合わせが待っていますよ。