▲新規事業推進室 室長の林 寛海さん
▲新規事業推進室 室長の林 寛海さん

【Profile】
「ITbookホールディングス株式会社」
ITコンサルティング、システム開発、システム機器販売、地盤調査改良、地盤保証等を営む傘下子会社、及びグループ会社の管理と付帯または関連する業務を行なっている。
ITbookホールディングスグループは、ICT技術・DXにより社会インフラの効率的、効果的付加価値の向上及び、社会貢献を目指し、豊かな社会の創造をテーマにIoT、AI、ビッグデータ、クラウドコンピューティング等の新技術を活用したサービスを官公庁、独立行政法人、地方自治体等の公共機関や民間企業等に提供する。

・東京本社
【所在地】〒103-0025
東京都中央区日本橋茅場町2丁目8番4号全日本中小企業会館ビル8F
・藤枝オフィス
【所在地】〒426-0067
静岡県藤枝市前島1丁目7番10号

新規事業推進室 室長 「林 寛海(はやし ひろうみ)さん」

2019年4月にITbookホールディングス特例子会社NEXT株式会社の代表取締役に就任。静岡の地方共創をテーマにITコンサルティング・最先端のデジタル技術・高度人材育成を掛け合わせたDX推進を目指し、ICT交流拠点を併設したITbookの藤枝サテライトオフィスやNEXT静岡オフィスを展開する。

【ITbookホールディングス株式会社 https://www.itbook-hd.co.jp/】

ICTを活用したまちづくりを推進!アクセス・利便性・自然がちょうど良い「藤枝市」

▲商業施設や都市機能が集まる藤枝駅周辺の中心市街地
▲商業施設や都市機能が集まる藤枝駅周辺の中心市街地

藤枝市(ふじえだし)」は、静岡県のほぼ中央に位置し、豊かな自然と都市の利便性をあわせ持ち、約14万人の人口を有しています。

JR藤枝駅は、東京から約90分とアクセスが良く、駅周辺は、映画館と図書館を兼ね備えたショッピングモール「BiVi藤枝」をはじめ、商業施設が充実しています。近年、人口は増加傾向にあり、街は活気にあふれています。

一方で、郊外には田園風景が広がっています。キャンプ場や温泉、フルーツ狩りなどのレジャースポットが充実し、四季折々の自然の恵みを感じて過ごせる環境があり、豊かな自然とほどよく発展した中心部がバランス良く共存しています。

藤枝市独自の取組としては、コンパクトシティ政策にデジタル化・スマート化を組み合わせた“スマート・コンパクトシティ”の形成を目指しており、2017年にその推進役となる「藤枝ICTコンソーシアム」を産学官連携により立ち上げました。

ICTを活用することにより、企業の経営課題の解決や働き方の環境創出に向けた産学官連携のまちづくりを実施し、地域経済の活性化を目指しています。

そんな藤枝市では、地域の課題解決に向けて、ベンチャーやスタートアップをはじめとする民間企業の先端技術活用に積極的に取り組んでいます。

【藤枝市の紹介ページはこちら】

課題は「東京一極集中」。藤枝市からの打診がきっかけで課題解決に向けて前進!

▲コロナ禍により、事業を安定して進める方法について改めて考えたと話す林さん
▲コロナ禍により、事業を安定して進める方法について改めて考えたと話す林さん

ーー今回、藤枝市にサテライトオフィスを設置した理由を教えてください。

弊社は、M&A戦略で事業拡大を進めていることからスムーズな組織経営・グループ経営を維持するため、本社機能を東京に集中させていました。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により、これまで取り組んできた企業ガバナンスを保たなければならない反面、感染予防対策を考えた業務オペレーションならびに人材確保をするにあたり、本社機能集中の難しさを感じるようになりました。
新型コロナウィルス感染拡大が私たちの進めてきた経営の在り方(東京一極集中)について、本当に良いのだろうかという課題が浮き彫りになったんです。

とは言え、本社機能を分散させることの必要性を感じながらも、なかなか一歩を踏み出せずにいたんです。そのような時にタイミング良く、藤枝市の方から「サテライトオフィスを設置してみませんか?」というお声がけをいただきました。

藤枝市とは「藤枝ICTコンソーシアム」の“地域産業のICT導入促進”の取組において5年間関わってきた御縁がありました。今まで関わらせていただいた経緯と補助制度による支援をいただけるとのお話もあったことから、藤枝市にサテライトオフィスを設置するに至りました。


ーー絶妙なタイミングでのきっかけがあったのですね!藤枝市からの提案のほかに決め手となった決定要因はありましたか?

決定要因は2つありました。1つ目は、東京から約90分というアクセスの良さです。

藤枝市は、東京から静岡市まで新幹線で約60分、静岡市からは、JR東海道本線で藤枝駅まで20分で行けます。一時期、3ヶ月間毎日藤枝に通っていた時期があったのですが、苦にはなりませんでした。

2つ目は、人材を採用しやすい環境であったことです。

藤枝市は「生産年齢人口」(15歳以上65歳未満の人口)が57%と高く、駅周辺は再開発が行われていて活気のある街です。多くの若者が飲食店等の新たなビジネスを立ち上げるなど、チャレンジしている人が多い印象もありましたし、静岡産業大学もあります。

サテライトオフィスには、いずれバックオフィス機能を移管していこうというプランがあり、そのためには現地採用が必要だったので、現地で優秀な人材を採用できる環境は魅力でした。

バックオフィスの役割だけでなく、地域に貢献できる会社に成長していきたい

▲会社全体の効率を上げるためのバックオフィス機能を担う藤枝市のサテライトオフィス
▲会社全体の効率を上げるためのバックオフィス機能を担う藤枝市のサテライトオフィス

ーーサテライトオフィスでの業務内容をお聞かせ願います。

リーガルチェック業務とグループ内の与信管理業務を行っています。

今後は、給与計算や社保の業務手続きなど、人事と総務の業務を移してバックオフィスとして機能させていきたいと考えているところです。

また、バックオフィス業務のほかに、地域に貢献できる会社に成長していきたいと考えています。ICTの導入支援やソフトウエア開発の受託といった業務を藤枝市で作っていきたいです。

市の補助制度を活用し、駅前の商業施設へサテライトオフィスを設置

▲サテライトオフィスは駅前の商業施設に入っているため、利便性も良い
▲サテライトオフィスは駅前の商業施設に入っているため、利便性も良い

ーーITbookさんのオフィスは駅前の商業施設「BiVi藤枝」に設置されていますが、オフィスを借りるに至った経緯について教えて下さい。

オフィス設置の際は、藤枝市からいくつか物件を紹介してもらいました。その中で、以前、「藤枝ICTコンソーシアム」業務の支援をさせていただいた際に「BiVi藤枝」を使わせてもらったことと、人通りが多く目につきやすい場所にあるという理由から今のオフィスに決めました。

隣には「藤枝ICTコンソーシアム」のオフィスもあるので、将来的に何かと連携しやすい環境であるなと思ったことも設置に至った理由です。


ーー物件の紹介以外に藤枝市からのサポートはありましたか?

サテライトオフィスの立地促進事業として、オフィスの改装費・改修費の補助と家賃補助、オフィス設置時の備品補助の制度を活用させてもらい非常に助かりました。


○ITbookホールディングス株式会社が受けたサポートはこちら

(1)静岡県ICT関連産業立地事業費補助金
(2)藤枝市サテライトオフィス等立地推進事業費補助金

社員の新しい働き方を考えるきっかけにも!サテライトオフィス設置は大きなメリット

▲「サテライトオフィスにはたくさんの可能性を感じています」と林さん
▲「サテライトオフィスにはたくさんの可能性を感じています」と林さん

ーー実際にサテライトオフィスを設置されてみて感じるメリット、また、デメリットはありましたか?

正直なところ、デメリットについては全く感じていないんです。

もちろん初めは、サテライトオフィスで仕事をするということがイメージできず「リモートで意思疎通ができるのか」「仕事の進捗は見えるのか」という不安要素を抱えながらのスタートでした。

しかし、実際に仕事をしてみると、リモートでも意思疎通はダイレクトなコミュニケーションと近い形でできますし、進捗の管理もレポートで確認すれば問題ありません。

むしろ、藤枝にオフィスを構えることで、コロナ感染によって業務がストップしてしまうというリスクを分散することができます。コロナ禍であっても事業を安定的に推進していけることは、大きなメリットだと感じています。

地方にオフィスを展開したことで地域活性化の一助になれますし、地方での認知度を拡大することも出来ます。そういった面でも、サテライトオフィスを構えられたことは非常に意味のあることだと思っています。


ーーデメリットを感じないというのはすごいですね!サテライトオフィス開設によって、当初は予想していなかったプラスの効果はありましたか?

業務を藤枝市に移すことによって、雇用が藤枝市で生まれる一方で、本社には業務を渡すことにより余力が生まれる社員がいるんです。

その社員たちには、空いた時間を使って今までとは違う業務にチャレンジしたり、新たにスキルアップやキャリアアップする機会を与えられるという可能性を感じています。

藤枝にバックオフィス機能を備えたことで、新しい働き方を実現するきっかけを作れたことは、想定していなかった効果といえます。

▲「実際に来て見学してみることをおすすめします」と林さん
▲「実際に来て見学してみることをおすすめします」と林さん

ーー最後に、サテライトオフィス設置を検討している企業へのメッセージをお願いします。

サテライトオフィスを考えている事業者の方は多いと思うのですが、一歩を踏み出すにはやはり勇気がいるんです。

私たちも「どうにかしなければ」と考えてはいたものの、行動に移せない時期がありました。そんな時、タイミング良く藤枝市さんから声をかけてもらい、背中を押してもらえて今に至ります。

オフィス設置を検討しているのであれば、ぜひ興味のある地域へ行き、実際に自分の目で見てみることをおすすめします。特に、藤枝市は東京から近いので、実際に来てみるとその良さがわかります。まずは行動あるのみです!


《ライター・奥村サヤ》